赤い流れ星3

side シュウ

カズの悩みを聞いて驚いた。
まさか、あのカズが、そんな事で悩んでいたなんて。
でも、ようやく気付いたようだ。
美咲さんに惹かれていることに。
そして、意外にもそのことを認めているようにも思えた。



わかるんだ。
カズとは性格が似てるところがあるから、カズの考えていることがよくわかる。



そして、俺も気付いていた。
カズにとっての美咲さんは、ひかりだっていうことに。
カズは自分の気持ちを認めさえすれば幸せになれる。
だけど、俺は無理だ。



美咲さんはカズのことが好きだ。
でも、ひかりは俺の事をどう思ってるかわからない。
それに、カズと美咲さんは結婚しようと思ったらすぐにでも出来る。
でも、俺は駄目だ。
たとえ、ひかりが俺を好きだと言ってくれたとしても、ひかりの親が、許してくれるはずがない。
俺はホストだ。
それだけできっと反対されるだろう。
きっと、カズは必死になって、俺のことを良く言ってくれると思う。
でも、そんなことでひかりの親がわかってくれるとは思えない。



俺とひかりが結ばれることなんかない。



それに…俺にはわからない。
なぜ、ひかりにそんなに惹き付けられるのか。
あいつの見た目は普通だ。
気が合うかと言われたら、それも微妙だ。
偽りの恋人を演じるようになってからは、確かに少し親しくはなれたような気がする。
だけど、それだけだ。
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