赤い流れ星3
「そういえば、美咲さん、今、どこかに行ってるんだったよな?」

「そうなんだ。親戚の家にいるとか言ってた。」

「でも、連絡は着くんだろ?」

「まぁ、LINEや電話番号は変わってないからな。
でも、忙しいのか、返信が無い時もあるんだ。」

「一体、なにがあったんだろう?
何か聞いてないのか?」

「あぁ、詳しいことは何も。」

カズは、暗い顔でそう言った。



「そうか、じゃあ、今すぐというわけにはいかないな。
少し待つしかないか。」

「……そうだよな。」

口ではそう言っても、本心は今すぐにでも会いに行きたいところだろう。
でも、俺にもどうしようもないことだ。



「美咲さんのご両親はもう亡くなられたらしいな。」

「そうなんだ。兄弟もいないし、天涯孤独らしい。」

「じゃあ、結婚を反対されることはないんだな。」

「そうだな。俺の両親も反対はしないだろう。
早く落ち着いて欲しいと思ってるみたいだから、きっと喜ぶだろうな。」

カズは、父親とは血が繋がっていない。
割と早くから親とは離れていたようだが、それでも、結婚を祝ってくれる親が居るのは羨ましい。
俺ももう両親が居ない。
兄弟もいないし、美咲さんと同じく天涯孤独だ。
だから、家族というものには憧れもあるが、半ば諦めてもいる。
俺にとっては、店の従業員が家族みたいなもんだ。



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