赤い流れ星3

side 和彦





「和彦さん、来て下さい!」



ある日、事務所に若い男が来た。
誰だか知らないが、相手は俺の事を知ってるようだ。



「えっと、まだ仕事中なんだが、どこへ?
そもそも君は誰なんだ?」

「来たら分かります、さぁ、早く!」

「あっ!」

男に腕を捕まれ、引きずられるようにして俺は事務所を出た。
外には黒塗りのベンツが停まっていた。



「カズ、急ぐんだ!」

窓から顔をのぞかせたのはシュウだった。
つまり、この若い男はシュウの店のホストだな。
それがわかって、一先ずは安堵した。
俺は後部座席のシュウの隣に座り、若い男は運転席に就いた。
車は滑るように走り出した。



「シュウ、どういうことなんだ?
どこへ行くんだ?」

「それが、まだ良く事情がわからないんだ。
ただ、美咲さんの居場所はわかった。
今からそこへ向かう。」

「えっ!野々村さんの?」



野々村さんの居場所がわかったのはありがたいが、なぜ、こんなに急ぐんだ?
野々村さんの身に、一体、何が?
急に不安な気持ちになって来た。



「野々村さんがどうかしたのか?」

「まだ詳しいことはわからないが、もしかしたら、ショックなことが待っているかもしれない。
一応、覚悟はしとけよ。」

「えっ!?」

不安はさらに大きく広がった。
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