赤い流れ星3
結局、夜明けまで俺達はいろいろな話をした。
さんざんしゃべって、笑って、喉が痛くなる程だったけど、話題が尽きることは無かった。
考えてみたら、そりゃあそうだ。
ほぼ40年、ずっと離れて暮らしていたのだから。
聞きたいことも山ほどあった。
そして、話せば話す程、俺は高坂に惹かれていった。
高坂はとても魅力的な男だ。
だからこそ、母さんも高坂に惹かれたのだろう。
頭の回転が速く、明るくて前向きで…
俺は、高坂に育てられなかったことが残念でならない。
彼に育てられたら、俺はもっと素直になっていたかもしれない。
自分でも気付いている、妙に頑なだったり、ひねくれた部分が、もしも高坂に育てられていたら、なかったかもしれない。
そんなことを思わされた。
父さんが悪い訳では無い。
ただ、俺が勝手にそうなったことなのだが。

シュウと高坂との関わりについても聞きたかったが、聞く暇がなかった。
まだまだ話したい事がありすぎる。
いつかまた、続きを話せる機会を作りたいと思った。
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