赤い流れ星3




「おじいさん、ありがとう!!」

「KENーGさん、どうもありがとうございます。」



料理屋さんの傍の携帯ショップで、私と野々村さんは機種変した。
私も野々村さんもテンキー付きのが良いと思ったから、結局、今回も色違いのおそろになってしまった。
私のがピンクで野々村さんがグリーン。
本当は私もグリーンのが良いなって思ったんだけど、アッシュさんやおじいさんがピンクをすすめるもんだからピンクになってしまったんだ。



「ここにも、キラキラしたやつはないんじゃのう?」

おじいさんがそう言って、きょろきょろしながら店内を見渡す。



「……キラキラしたやつ?」

「そうじゃ…この前、キラキラのスマホを持ってる女子高生を見たんじゃ。
わしもあんなのにすれば良かったと思うてな…」

「あ、それなら本体じゃなくてカバーのことだね。
だったら、この近くに売ってるお店があるよ。」

アッシュさんはさすがにこのあたりの事情に詳しい。
早速、そのお店に連れて行ってくれて、おじいさんは若い女の子が好みそうなスワロフスキーのキラキラしたカバーを買った。
すっごく綺麗だけど、たかが「カバー」とは思えないような値段にびっくり!
おじいさんが私達にも買ってくれるって言い出したけど、あんな値段を見た後じゃさすがに気もがひけるし私はキラキラものもちょっと苦手だから、大好きなゲームキャラのものにした。
野々村さんは野草みたいな落ちついた柄のカバーで、いかにも野々村さんっぽい。
カバーのお陰でずいぶんと雰囲気が変わって、野々村さんとは同じ機種って感じが全然しなくなった。
アッシュさんは、ものすごくおしゃれな革のネックストラップを買ってもらって、早速、首から下げていて…



しみじみと思った。
やっぱり、お金があるって良いよねぇ…
ほしいものを買ってもらえるって、誰だって嬉しいよね。
野々村さんがおじいさんと結婚したいって気持ちが、私にもなんとなく理解出来てきた。
< 86 / 761 >

この作品をシェア

pagetop