Only

先に靴を履き替えて、さっさと学校を出る俺。

「ちょっとー、待ってくれてもいいじゃんー!」

と玄関で怒り気味で叫ぶ星野。


…イラつくなー、コイツ。

振り向くことなく歩いてく俺。

すると星野は、パタパタと走り寄り、
何の躊躇いもなく俺の腕を組んで

「ねえ、光君ってさ、同じクラスの飯尾さんって子と付き合ってたんだよね?」

って訊いた。


…何なんだよ、コイツは!!

「うるせえ、勝手に触ってんじゃねーよ。気持ち悪い」

絡められた腕を引き剥がす。

俺が完全にイラついていると。


「別れたのは、両親の再婚が原因。
…そうでしょ?」

と星野が呟いた。

何でも知ってるの、とでも言いたげな不敵な笑みを浮かべながら。

「は……?」


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