Only

「…は…?」

「お義母様の性格を知ってるでしょ?
あなたが今逆らっても、何の得にもならない」

…確かに、母さんの性格からして、大体の予想はつく。

負けず嫌いで、欲しいものは手に入るまで粘る。

俺がまだ輝を想ってることを、きっと母さんは知ってるんだろう。

ここで俺が逆らったとしたら……


輝に、直接手が及ぶ…?

それだけは、絶対に避けなければならない。

でも、俺は、まだ輝のこと……

「どうするの?逆らうか、従うか。選択肢は2つ」

後になって考えれば。

この選択は、間違っていたんだろう。

ただ、この時の俺には、


「分かった…付き合おう」


と言うしかなかった。


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