Only

「え…?これ…」

「プレゼント。マネージャーになってくれてありがとう記念!」


…何だねその記念は。

でも受け入れられた気がしてすごく嬉しかった。

「ありがとう♪大事に使うねー!」

「おう!」

へへっと笑うだいち。


…てかこの人…彼女とか、いないのかな。

ふと、そんな事を考えた。

いてもいいんだけど、あたしにこんなプレゼントしてくれちゃって、

彼女にバレたらまずくない??

「ん?どした??」

だいちが不思議そうな顔してあたしを見つめてる。

…あたし、今ボーッとしてた??

「…ん?あ、いや、だいちってさ、彼女とかいないの?」

「彼女?何で??」

「いや、あたしにこんなプレゼントくれて、もし彼女いたら…ってさ」

あたしがそう言うと、

だいちはいきなり真剣な顔になって

「付き合ってるやつはいないけど、守ってやりたいって思うやつはいる」

って言った。

…男子って、こんなに逞しいんだ…

「そっかあー、いーねえ、その守って“やりたいやつ”さん」

あたしがそう嫌味っぽく言うとだいちは

「るせー」

って言って店を出てってしまった。


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