さくら町ゆめ通り商店街~小さなケーキ屋さん~
翌日の約束の時間。

家族全員の写真を撮りたい、ということだったので、裕太まで店に立っていた。


裕太はいつもの伸びきったTシャツではなく、よそいきのTシャツを着て、しきりに髪型を気にしている。

「例の、『イケメン・ボーイズ』のコーナーに、僕は出してもらえないかな?」

「無理だよ。あれは高校生以上だから」

「だから、高校生になってからだよ」

「問題は、あんたが高校生になれるかどうか、でしょ」
 
裕太はふくれっ面になった。



「おとうさん、愛想よくしてね。感じいいお店だって宣伝してもらわなくっちゃ」

母とあたしは、父のことが一番心配だ。

「わかっとる」

どうやら父だって「シティ・タイムズ」がよく読まれていることぐらい承知しているらしい。

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