初恋は雪に包まれて



……私にとったら、結構一大事なんだけどなぁ。


「それで?」

「うん?」

「誰に告白されたのよ。」


いつの間にかペペロンチーノを全て食べ終えた夕ちゃんは、綺麗に口紅が引かれた唇の端を紙ナプキンで拭うと、アイスティーの入っているコップに口をつけた。

あ、そっか。一番肝心なところを抜かしていた。



「……同期の、伊東くん。」


自然と少し声が小さくなる。

そして驚いたことに私の言葉を耳にした夕ちゃんは、その綺麗な口からアイスティーを吹き出した。


「ゴホッ……あー、苦しい、器官入ったっ……」

「えっ、夕ちゃん大丈夫?」

「……ん、…てかあんたそれ本当なの?伊東くんって、あの伊東くんでしょ?」


他に伊東くんがいるのだろうか。

いや、でもこの反応からするに、きっと彼女の頭の中に浮かんでいる伊東くんと私の話している伊東くんは一致しているはずだ。


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