初恋は雪に包まれて



「……どうして、今なの……?」

「何が。」

「その……好きとか、これって告白、だよね……?」


告白というのは、こんなに怒られながらされるものなのだろうか。

恥ずかしながら生まれてこの方23年間、告白なんてほとんどされたことがない。


昔から勉強の成績も、身長も、体力テストだって、いつだって真ん中だった。決して目立つことはない、普通の生徒だった。

放送部で部長を勤めていたといったって、ただ同学年に部員がいなかったためだあって、仕方なくのことだった。

とにかく普通で、どちらかというと少し地味な人生だったのだ。


きっと、いや確実に周りの同世代の女の子より恋愛経験が少ないと胸を張って言える私は、今のこの状況がよくある光景なのかがわからない。

……あぁ、もうわからないことだらけだ。



「……そうだよ。」

彼の瞳が、僅かに揺れた。

「お前が、あんなのに引っ掛かりそうになるから。」

雪はまだ止みそうにない。



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