僕達は何度も恋をする
第二章 17歳。
ヴァレンタインの日。


私は海斗を振った。


手作りのチョコを渡して。


海斗の返事も聞かないまま、チョコだけ渡した。


それから17歳の誕生日。


私は何度か見かけたことのある海斗の友達と、街で偶然出会した。


お互い「あっ」って感じだったよね。


それから、よく二人で遊ぶようになった。


次第に、体の関係も増えていき、私は彼に夢中になった。


彼は、知り合いに会うと繫いでた手をパッと離す。

私と付き合ってることを隠すかのように。


付き合ってると思っていたのも、私だけだった。


確かに、告白なんかされてないししてない。


欲深い私は、この人を、この人の心を手に入れたいと思ったのだ。


毎日30分以上、自転車に乗って彼に会いに行った。



会える時間が、10分でも良かった。


バイトで疲れたクタクタの体。


毎日の積み重ねで、やっと彼は私を彼女として皆に紹介してくれた。



それが嬉しくて、私の欲しかった形を手に入れたのだ。







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