うたかたのおと。

「あ、うん。ばいばい…。」


近藤くんの去っていく背中を少し見つめてから、教室に入り、机の中に入れたままの携帯を手に取った。


…!!


スマホを持つ指先が震えているのに気がついて、私は緊張していたことに気がついた。



彼の、夕焼けに照らされた彼の、あの完璧な作り笑顔に。
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