コイビト未満
君の知らない景色
※ここからは葵目線になります※
菜成の涙なんて
凄く弱くて、いつも強がっている証拠
俺の前では、泣かないつもりだったのかもしれないかけど
ずっと涙を溜めていたその瞳は
いつ溢れ出してもおかしくないくらいギリギリで
逃げるように走って行った菜成を引き止める
そんな野蛮なことは出来なかった
何があったのかは、わからない
俺か？
多分、俺だろうな
そう思いたい
俺以外で菜成を泣かせるなにかがあったら
それは許されない
許せない。
俺も菜成を泣かせたい訳では決してないんだけど
俺のことで一喜一憂してくれるっていうのが不謹慎にも嬉しくて
それだけ心を許してくれてるってことだろ？
って
菜成があんな顔して走って行ったっていうのに、
俺はどこまで能天気なんだ………
