あの日見た 夕日
『 無視すんなよ… 』
「だれ」
『古谷 智雅 幼稚園一緒だった』
ふるや ちか…
「ふーん。」
『何してんだよ 学校も来ないで』
「何してんだろね」
古谷智雅は 確か かっこ良くて
色々な人から好かれてた
それが 羨ましくて
なにより 幸せそうで
あたし ひがんで 妬んで
惨めな気持ちになって
悲しくなった
あたしは幸せ。幸せなんだ
って思い込むのも やめた
「古谷智雅 帰りなよ」
『長谷川こそ。』
「あたしは 帰りたくないの」
『なんで』
「古谷智雅 聞かないでよ」
『ごめん』
「帰りなよ」
『送るよ。』
「帰りたくないから やめて」
『女の子 置いて帰れない』
「ふーん 紳士的だね、古谷智雅」
あたしは 公園を出ようとした
『智雅でいいから』
「あそ。」
『何処行く気?』
「知り合いのBAR」
『帰りなよ』
「帰れないから。んじゃね
古谷智雅」
『っ待てよ』
「何」
『そ、そこまで送る』
自転車で 2ケをして
BARまでいく