泡影の姫
4章―それでも、私は君に会いたいと思う
病院にて適切な処置を受け、念のためレントゲンまで取った私は痛む足をさすりながら小さく縮こまる。

パソコンに何かカタカタと打ち込んだ松永先生は、私の方に向き直ると大きな大きなため息をこれ見よがしにつく。
それだけで私の肩はおおげさなくらいびくっとはねる。

「瑞希、俺は常々思っていたことがある」

「なっ、なんでしょうか!?」

裏返った声に自分が自分で思っていた以上にどうやら焦っているのだと気づく。

「お前、バカだろ!!このバカっ!!俺の仕事無駄に増やしてんじゃねぇよ、バカ!!」

「いった~い!!叩くことないじゃないですか!?暴力反対!!センセー私けが人!!ココ病院!!」

「叩いてねぇ。でこピンだ。ド阿呆」

ばしっといい音を立てたすさまじい破壊力のでこピンを不意に喰らって目の前がくらくらする。
額をさすりながら猛抗議する私に、

「言いつけを守らなかったお前が悪い。バカ瑞希」

とばっさりと言い捨てる先生。
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