嘘つきな声

真新しい制服は少し大きくて、高校生になったんだなぁと感じさせる。
桜の花が満開に咲くこの頃、あたし伊藤 華奈は双子の兄、伊藤 奏にお説教をしていました。
「ねぇ奏?昨日さ朝ごはん俺作る!って言ってたよね?なんで作ってないの」
「いや…すいません」
リビングで正座をしながら妹に怒られる兄。
想像してみてください、この様子を。
「うん、もういいや。
あんたは朝ごはん抜き!あたしがあたしの分だけ作る」
「えぇそんなぁ」
情けない。
情けなさ過ぎてあきれてきたよ、おにーさま。
大体ね、なんで同じ高校くるの?
あんたがバカのくせしてモテるからこっちに被害あるんだよ?
だからさ、わざわざ志望校変えてまで離れようとしたのに。
なんでいるのさ。
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