裏ヤン先生に愛されます

-Episode- 狼



俺は、高校1年の女子と街で出会った。

ソイツは、何か危ない空気だった。

俺はつい声をかけていた。

(何を声かけてんだよ…、女子とはもうかかわりたくないのに)

だけどソイツは笑みを見せた。

怯えずに俺を見つめていた。

果物を渡すとお辞儀をしていった。

(こんな時間に…、女子1人って親は何してんだよ)

俺はその時は、彼女と関係なんてなかったから、気にしなかった。

だけど次の日、学校の新任教師として、壇上をあがった。

そこには大嫌いな女がいた。

(ったく…、記憶喪失になったアイツを思い出す…)

イラつくのを抑えて、挨拶を済ませた。

そして教室へと入る。

初めて生徒を持った。俺が、教師という夢は、記憶喪失の彼女が俺に勧めたからだった。

(唯一取りえが、子供好きってコトだけで…)

俺は静かにそのクラスメートを眺めた。

すると昨日、夜に出会ったヤツがいた。

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