裏ヤン先生に愛されます
「どうして分かるの?タチ悪いって」
「俺もモト不良だったし。真希っつぅヤツは違うと思うけどな」
「お兄ちゃん…が?」
「知らなかったっけ?俺と同僚のヤツでさ。
今教師やってんだけど。ソイツ結構家荒れてて。今は1人暮らしだけど。
香水くせぇはタバコくさい。
挙句の果てに、オンナたらし。
今頃何してっかな…。何かオオカミって字だった気がする」
「オオカミ…」
「心当たりあんの?」
「う、ううん!珍しい名前だなぁって」
「だよなぁ。俺もカッコいい名前がよかったな。
ウミってさ。真面目っぽくね?」
「そう?あたしは良いと思うよ。お兄ちゃんの名前」
「そか、まぁいいけど。お前先に風呂入れ。くせぇ」
「…お兄ちゃんだって昔、香水くさかったくせに」
ふて腐れるように、洗面所に行く。
奏平はいつも通りだったし、何にも気づかれることはなかった。
お兄ちゃんと、センセーは同い年だったんだ…。