裏ヤン先生に愛されます


「どうして分かるの?タチ悪いって」

「俺もモト不良だったし。真希っつぅヤツは違うと思うけどな」

「お兄ちゃん…が?」

「知らなかったっけ?俺と同僚のヤツでさ。

今教師やってんだけど。ソイツ結構家荒れてて。今は1人暮らしだけど。

香水くせぇはタバコくさい。

挙句の果てに、オンナたらし。

今頃何してっかな…。何かオオカミって字だった気がする」

「オオカミ…」

「心当たりあんの?」

「う、ううん!珍しい名前だなぁって」

「だよなぁ。俺もカッコいい名前がよかったな。

ウミってさ。真面目っぽくね?」

「そう?あたしは良いと思うよ。お兄ちゃんの名前」

「そか、まぁいいけど。お前先に風呂入れ。くせぇ」

「…お兄ちゃんだって昔、香水くさかったくせに」

ふて腐れるように、洗面所に行く。

奏平はいつも通りだったし、何にも気づかれることはなかった。

お兄ちゃんと、センセーは同い年だったんだ…。

< 27 / 212 >

この作品をシェア

pagetop