裏ヤン先生に愛されます


ふわっとわたあめをちぎってくれた。

あたしはそれを口に放り込む。

「おいひいよ」

「ほんとだ」

類の笑みを初めて見た。

わたあめみたいに、ほわっと微笑んでいる。

「類、笑顔いいよ!」

「…はぁ?」

「笑っている顔の方が、ずっと素敵」

「…別に。後あげる」

類は半分わたあめをちぎるとくれた。

「ありがと!」

貰ったやつを美味しそうに頬張っていると、「ぷ…」と小さく笑う声がした。

「あ、笑ったでしょ!今」

「ハムスターみてぇ」

クールな人かと思ってたけど、案外話すやつなんだ。

類のこと、友達になれそうな予感がした。

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