ご懐妊!!2~俺様上司は育メン愛妻家になりました~
「あっぎゃああああ!!」


みなみが目覚め、いきなり出力全開で泣き出した。
グズるというプロセスはないことが多いんだ、この娘。


「きた!おっぱいだ!」


たった2時間の外出ももたないみなみの空腹。
こんなことなら、病院の待合室で授乳してくればよかった。


「もう少しでおうちだから、我慢して!」


私はみなみをスリングごと揺すってみる。
みなみは大声を張り上げるばかり。


「あんた、授乳ケープ持ってるんでしょ。タクシーだけど、あげちゃいな!」


ええー?あと5分ほどで我が家なのに!

しかし、降りる瞬間まで泣いていたら、運転手さんにも迷惑だろう。
私は運転手さんにひとこと断り、みなみをスリングから出すと、代わりに授乳ケープを羽織った。

いつでもどこでも授乳がスマートにできるというのが、このケープ。
今後、出番がめちゃくちゃ増えそう……。

みなみはケープが邪魔で押し退けたいのか、しきりに顔回りで手をバタつかせていたけれど、最終的には目の前の食料の魅力に負けた。
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