僕のイケナイ先生(→『信じられない彼女ー僕のイケナイ先生』から改題)
女王様気取りで話し続ける
イケ先に、媚びへつらう気が
おきなくて。

ったくお世辞にも美味いと
言えないのに。

きっと主任代理なだけじゃない
、秘密の何かが、この女には、
匂っている。

大体、先生間で先生と呼び合っ
て、こんな禄でもない会話に嫌
気がさす。先生を省きたくなる
ような手合いが、目前にいる。

玲緒奈先生がそう思っていると
。

3人の勘定を払おうとイケ先が、
席を立った。

玲緒奈先生が、「私が」と言って、
立ち上がると。

イケ先は、「下の人には、こう
するのが、私の主義。初めだけ
ですから。待っていてください
」と睨むようにぴしゃりと言う
。

玲緒奈先生は、「内部調査せよ
」というもう一つの任務を思い
出して。

土産用のイタリアスイーツを、
3人分買って、イケ先に差し出
した。

「これで、相殺という事にして
ください。おごっておごられと
言う事で、願います」と、玲於
緒奈先生1人、先に店を出た。

***********

外の外気が、頬を撫で肌に心地
よい。

郊外のせいか、空気も幾分澄ん
でいて、車の通りが少なく排気
ガスも充満していなかった。

けれども、胃の腑に残るぱさつ
いたパスタにひどく嫌な気分が
引っ掛かっている。

食べた気もしなければ、もう一
度高飛車なイケ先の車に乗る気
も湧いてこない。

まして、あれが問題のワンボッ
クスカーだなんて、この時はま
だ玲緒奈は想像だにしていない
。

乗っちゃいけない、虫の知らせ
というようなものだろう。

これからどういう対決になるの
か、不透明だけれど。

「C`est la vie セラヴィ」
これも人生と、玲緒奈が呟いた
。

店内で後に残されたイケ先は、
玲緒奈に手渡されたスイーツの
袋を憎憎しげに見て、「生意気
な女」と去っていく玲緒奈の後
ろ姿に向って、吐き捨てた。

橘先生にもしっかりと聞こえる
ように。

幕開けからそりの合わない、特
採のイケ先容子と特管の玲緒奈
だ。




< 38 / 54 >

この作品をシェア

pagetop