不器用な彼の愛し方《番外編完結》
そんな偽りの私を好きになったひとりが、今の彼氏。悠だった。
2年になってすぐの事だった。
春の甘い風が吹く屋上に
呼び出された。
「俺と付き合ってください!」
頭を下げて顔を真っ赤にする悠は
真剣そのもので。
でも、
「ごめんなさい、好きじゃない人とは付き合えません」
いつものように断った。
大体の男子は、そう言うと
「そっか、じゃあ友達から
仲良くしてください」
そう言う。
だからその時も、
その言葉を待ってた。