我妻教育2
「…大丈夫って、何が?」


「パーティーの間、未礼を見たら、どこか元気がないように見えた」


――ドキリとした。


「そ、そう?そんなことないよ、元気元気♪♪」

力いっぱいの笑顔を作った。


真っ直ぐ見つめてくる啓志郎くんの視線をかわして前を見る。

駅はもう目の前。


実はね、仕事が、ちょっと上手くいかなくって…って、そんなこと絶対言いたくない。


啓志郎くんも前を見た。

「…そうか。なら良いのだが」


「大丈夫だよ~」

ニコニコ顔で言いつつも、啓志郎くんの顔を見ては言えなかった。
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