あなたと一緒にいれる時間と…
これが『最悪』と言うのだろう。
「来斗君の体は…」
「来斗君の体は『末期ガン』です。それも前のガンがいつの間にか体全体に転移しています。この日まで倒れなかったのも奇跡でしょう。」
その言葉は沈黙を生んだ。
その時間は1時間もたったように感じた。
そのあと、来斗のお母さんと私は目から涙がこぼれて泣き止むことはなかった。
来斗は、泣くことはなくただただ唖然としていた。
これだけでも悲しいというのに、追い討ちをかけるようにこの言葉が出てきた。
「それでですね、追い討ちをかけるようですみませんが、来斗さんは『余命2カ月』です。」
その言葉にはもう聞き入れたくなかった。そんなのあり得ない、こんなに元気なのに、こんなに明るいのに…私が私が気付かなかったから、ちゃんとちゃんと…
「もう治らないんですか?どうしてですか?来斗は来斗は何も悪いことなんて…していないのに」
お母さんは泣きながら先生に一生懸命言っていた。
「治ることはないでしょう…余命が1日でも延びるよう私たちも一生懸命治療したいと思います。」
先生の言葉にお母さんは何も言えなかった。
そして、その時に雨が降ってきた。私の涙と比例して…
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