私と彼の恋愛理論
頭を巡るのは後悔ばかりで。


引っ越さなければよかった。

仕事が忙しくなければ、少しは違っていたかもしれない。



何より。

彼女にただ素直に愛してると伝えればよかった。

会いたい、ただそれだけで会いに行けばよかった。


そんなことも言えなかったくせに、よく三年も続いたと思う。

いや、違う。

彼女がこの関係を頑張って保っていたのだ。

俺たちの三年間は彼女の思いやりの上に成り立っていたのだ。

今なら分かる。

彼女がどれだけ俺のことを理解しようとし、俺の分かりづらい態度から頑張って愛情を汲み取ろうとしていたかが。

それなのに、俺は何をしていたのだろう。

たとえ、今更プロポーズめいたことを言っても遅かったかも知れない。

とっくに、愛想をつかされていたのかもしれない。


まどかは俺といて本当に幸せだったのだろうか。


その疑問が頭に浮かんだ時、はじめて俺の目から涙がこぼれた。

大人になってから、感情的になって泣いたことなどない。


ごめん、まどか。


君を愛してる。


俺は君といて、幸せだったよ。

< 24 / 98 >

この作品をシェア

pagetop