あの頃の君へ
変な顔をして拓真に嫌味たらしく言うと、突然真剣な表情をして私の頬に手をあたる。
た、拓真……?
するといきなり笑顔になり、ムニッと頬をつままれた。
「いった!何すんのよ」
「……生意気。俺が食べたいって言ってやってんだよ」
「はぁ!?居候の分際でっ……」
「昨日助けてやった」
「あ、あんな男1人でも別に何とか出来ましたー!」
「何とか、ねぇ?」
「まず、こう腕を捻って……」
拓真の腕を掴んで実際にやってみせようとすると、逆に手首を掴まれて視界が反転した。
「で、どうやってだって?」
視界に映るのは、天井と悪戯に微笑む拓真だけ。
「だ、から……」