あの頃の君へ
「何となく?」
……何となくで手繋がれてドキドキしちゃってるこっちの身にもなれ。
とは言えなくて「そっか」とだけ言い、そのまま歩くことにした。
「あ!てかそれ私のパーカーでしょ!」
「バレた?」
「服も全然持ってきてないんだから。陽子さんには来るってちゃんと言ってあるんでしょーね?」
陽子さんとは拓真のお母さん。
私のお母さんとは正反対で、ショートカットがよく似合うサバサバとしたキャリアウーマンのイメージだ。
「あぁ、そりゃ一応な」
「私の家に転がり込むってことも?」