ペルシディティ
aquamarine
彼が私に最初に話した言葉は「え…?」だった。


彼は私が音楽室に入ってきたのも分からないくらい夢中になって切なそうにギターを弾いていた。



街中へ一度出れば聞かないなんてことがないほど有名ポップミュージック。



彼の指先が弦を弾いて、音を紡ぐだけで―――。


たったそれだけで彼は、なんの変哲もないアコースティックギターから聞いたことがないような色を奏でた。



胸がグッと締め付けられるような、切なく悲しいアクアマリンだった。





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