湖都子のポエム2

黒と白


こんなの
知りたくなかったよ

隠していたんだ
心の醜い部分

あぁ…
なんてきれいな…

まぶしいくらいの優しさ

あの子がくれた大切なものが
心の中で瞬き始めた
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ずっと好きだった彼女
彼女のためなら、何でもできる
彼女の言葉は全て信じていた

彼女の楽屋から話し声が聞こえる
誰と話しているのかはわからなかったけど
「あの子がいなければ、詩音は私のもとに戻ってきてくれる」「ねー、あんたのフアンの男、あの子怪我させたんじゃないの?」「何それ、知らないわよ。あの人が勝手にやったんだもん、私のせいじゃないわよ」「そうかな?あの子がけがして喜んでるくせに」「な…何よ…悪い?邪魔なやつ…なんだから…」
綺麗な顔の下の醜い心…
「詩音と付き合ってないでしょ…」「あら、あの子がいなければ私と毎日会ってくれる」

俺は何やってたんだろう、ただの都合のいい男だったんだ

「ここへは、二度と来ない」「別にいいわよ。あんたのかわりなんて、いくらでもいるんだから」

もう一度謝ろうと、あの子の病院に行った
誰もいない病室で、1人…泣いていた
どうしようか、迷っていたら、詩音がやってきた

途切れ途切れ、言葉が聞こえる
「また泣いていたのか…」「…うん…」
「昨日、一緒に出かけてたら、こんなことにならなかったのに、ごめんな…」「しーちゃんのせいじゃないよ。」「ぶつかったヤツのせいだろ」「違う、たまたまぶつかっただけなんだから、あの人のせいじゃないよ。誰のせいでもない」
わざと突き落としたのに…あの子は、あんなにも優しいんだ
何であんなことしてしまったんだろう

あの子がくれた大切なものが…心の中で瞬き始めた

馬鹿だな…俺…本当に馬鹿だ



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