私の好きな人 私を好きな人
蒼太先輩は真剣な顔をしていた。

バレーボールの試合中にしか見たことのない顔。


『あの時、妹って言ったのは…さやえんどうが泣きそうだったから…だからそう言っただけで…その…つまり…俺は…』

蒼太先輩は顔を真っ赤にして、私から一瞬目をそらすと、

『俺だって、妹だなんて思ってない』


と言った。




『それはつまり…どういうこと?』

私は聞いてみる。

『…なんだよ』

『だから、どういうことですか?』

『…そういうことだよ』

『そういうって…はっきり言って下さいよ、蒼太先輩』

『…だから』

『だから?』






『紗耶香が好きだってことだよ!!』



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