泣き顔に甘いキス

Ⅰ-Ⅰ










「夏奈(なつな)ぁ。何、あの男たち」








私の名前を大きな声で叫びながら顔をしかめている私のお友達、愛(あい)ちゃん。






「……あはは。」






これでもかってほど、目を見開くような美人。







殆ど化粧が施されていないのに、綺麗な肌で、目力の強い大きな目。






女の私でもくらっとキてしまいそうな壮絶な色気を放っている赤い唇に、明るい茶色でくるくるに巻かれている髪。







スタイルなんて脚はものすっごく細いし、ウエストも引き締まっているのに胸は特大だ。







高校生なんて思えないほど大人っぽくて、いつもどこか妖しい笑みを浮かべている。








全ての人の視線を惹きつける、そんな特別な魅力を持っている愛ちゃん。







もちろん男の子にモテモテで、モテモテで……日替わりで隣にいる男の人が変わっちゃってるくらいだ。







他校の子に愛ちゃんの事を聞くと、ほとんど全員が知っていると答えるほどの知名度すら持っている。








「しっかりしなさいよ。あんな男達なんてキモイの一言で片付くんだから」







そしてズバズバと思っちゃうことが口に出ちゃうタイプでもある。

















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