これが私の王子様

「結城君は、結城君だもの」

『うん。ゆからしい意見』

「い、いけなかったかしら」

『そんなことはないわ。そういう気持ちは、大事よ。特に、あの結城君相手なら尚更かもね』

 だから、手を貸したくなる。

 というのが、詩織の意見。

 といって、詩織は恋愛経験が豊富の方ではないが、それ以上に半端ない知識を持っている。

 それを披露し、友の背中を押す。

 ゆかは詩織の言葉のひとつひとつを真剣に聞き入り、時折頷き返す。

 そして全ての内容を聞き終えると、心の中に溜まっていたモヤモヤが吹き飛んだのだろう、スッキリとしていた。

「ちょっと、わかったかも」

『その意気よ!』

「有難う」

『じゃあ、切るね。もっと話していたかったけど、買い物を頼まれちゃって行かないといけないのよ』

「ご、御免なさい」
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