これが私の王子様
第三章 その道を共に

 パーティー当日、和人は慣れないスーツで参加していた。

 流石大物のパーティーというべきか、参加者の大半が名のある人物で、絢爛豪華の名前に相応しい。

 祖父史武(ふみたけ)のパーティーは、立食形式。

 そして誰もが史武にお祝いの言葉を述べているが、それが本心なのか権力に屈しているからか、和人はわからなかった。

 ただ、遠くから眺めている。

 勿論、史武の孫ということで、和人は本人が望まなくとも注目されてしまう。

 尚且つ巨大グループの御曹司なのだから、彼を自身の娘や孫と結婚させたい――という願望を抱く者も多い。

 いかがですか?

 お考え下さい。

 いいお話かと――

 などなど、声を掛けてくる。

「はあ」

 だが、和人はいい返事をしない。

 要は、彼等が何を考えているのか見抜いているからだ。

「どうして、ですか?」

「まだ、早いから」
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