悲愛日記
「………わかんない」
数学の教科書とノートを開いてガン見する。
でも、全く分からない。
さっきの授業で習った数学がちんぷんかんぷん過ぎて。
何でこんなことを習う必要があるの!なんて心の中で愚痴りながらも、必死に写したノートを見つめ続ける。
そして力尽きた。
あぁーーーーーー!分かんない!!
はぁ、とため息を吐き頭を抱える。
そうしているとふと右の方に誰か人の気配を感じた。
何気なく横を向いてみると……。
あ……。
葉月くんだ。
しかも隣に立っているだけじゃなくて、私をじーっと見ている。
「は、葉月くん!?え、え?」
そして私は心臓がバックバックとなりだして、焦りだしたんだけど…。
「数学、分かんないの?」
どうやら葉月くんが見ているのは私自身じゃなくて、私の机の上に広げられていたノートだった。
思いっきり勘違いで内心荒れてるケド、なんとか葉月くんの質問にコクコク頷いた。