悲愛日記






「これをもちまして、入学式を終了させていただきます_______。」








この知らせがマイクを通して体育館に響き渡り、私は隠しきれない不安と緊張を抱えて立ち上がった。







今日は入学式。






でも期待でワクワク!なんて可愛いもんじゃありません…。






同じクラスで上手くやっていけるかどうか不安。






ざっとクラス分けを見たところ中学校から同じ高校に来てる友達は、私のクラスに誰もいないっぽいし…。





知らない名前ばっかりだった。






思わず泣きそうになってしまう私。







……私、極度の人見知りです。








はい、本気で初対面の人と上手く話せません。






あーーーー、と心の中で大絶叫のあたしだけど、なんとか人の流れにそって体育館を出る。








周りを見ると何人か固まって移動している女子たちが何人かいて、既に出遅れた気になって更に焦った。





なんでそんなに早くグループができるのっ?






周りを見ていてつい注意がおろそかになってしまっていて……。







イヤでも人がぎゅぎゅうになって移動している中、ちょっと歩く速度を落としたら思いっきり後ろから突き飛ばされてしまった。






「……キャッ」







思わず声が漏れてしまう。







でも、今はそれに気を取られるどころじゃない…!








突き飛ばされてバランスを崩してしまったまま、体勢を立て直すことが出来ず……。









このままじゃ前に突っ込んでしまうーーー!







でも私には咄嗟に手やら足を出すなどの反射神経がお生憎の事皆無で。








何の抵抗も出来ずに、前を歩いていた人の背中に突っ込んでしまった。








「へぶっ」






思いっきり顔から突っ込んでしまったため、変な声が出てしまう。






それよりも鼻を強打の重症だ…!






思いっきりズキズキ痛む鼻を抑えて、慌てて体制を整えた。







とりあえず押さえている手を確認して、鼻血は出ていない…と。








………あぁ、入学式から最悪。







そう思いながらなけなしの勇気をかき集めて、振り返って来たぶつかった人に謝った。








でも、顔を合わせたくないからつい顔を下にそむけてしまった。





つまり、ぶつかっちゃっただけで頭を下げて謝る私だ。






「ごめんなさいっ!」










って言っても、人の流れがあるので私は頭を下げながら、ぶつかっちゃった人は後ろを振り向きながら歩いているという変な状況かもしれない。










「い、いや。全然大丈夫だけど」










どうやら怒ってなさそうで一安心。







でもこのまま頭を上げる勇気なんてない。







前にいる人や周りの人たちの足だけ良く見える。







このまま変な格好で歩くわけにはいかないんだ。








どうすればいいか分からず軽くパニックでいると、騒がしい周りの中先ほどと比べて明るい声が聞こえた。










「……全然へーきだって。頭あげて?」









このまま頭を下げ続けるわけにはいかず、恐る恐る顔を上げる。







すると……にっこりと笑っている男の子と目が合った。
























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