愛なんてない
戯れ



京はなぜか深刻な顔のまま、大通りに出るとバイパス沿いに車を走らせ、川の堤防沿いに車を停めた。


人気がない森のそばで、周りは廃工場や寂れた公園しかない。


ここ……確か。


わたしは微かに記憶が動くのを感じながら、京がポツリと漏らした言葉に神経が集中した。



「……誰が……困るか」


唸るように呟いた京は様子がおかしい。 何かを堪えているように見えて。


「どうしたんですか? 気分でも悪い……ッ!!」


あ、と思った時にはもう京はわたしを引き寄せ、キスをしてきた。


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