愛なんてない
それでも抵抗を止めないわたしに、お兄ちゃんは低い声で囁いた。
「あの相良ってヤツを未成年略取で警察に突き出してやろうか?」
わたしの身体と頭が一瞬で固まり凍りついた。
お兄ちゃんからの完全な脅迫だった。
相良先生が……
教育委員会だけじゃなく、警察沙汰になってしまう?
そんなの……いや!
わたしに関わったばかりに、相良先生をそんな地獄に落としたくない!!
わたしは……そんなつもりで京と肌を重ねたんじゃない!