愛なんてない
「咲子がな、相良 京に興味を持ったらしくてな。いろいろアピールしてるぞ? クククッ……やっぱりなあ。相良を初めて見た時から目の色を変えただけあるな」
……え?
咲子さんが京に?
どうして? 咲子さんはお兄ちゃんと……結婚したはずなのに?
わたしが信じられない顔をしたからか、お兄ちゃんは低い笑い声を立てながら話した。
「咲子とは入籍はしたが、あくまでも『ふり』だけだ」
「どうして……?」