愛なんてない
でも、お兄ちゃんが京を告発しなくて良かった。
わたしは京を護れているんだ、と無事な姿を見る度にホッとした。
京も学校ではわたしを見る事もなく、廊下ですれ違っても挨拶もしない。
それでいい。
相良先生はわたしともともとなんの関わりもないんだから、これ以上個人的なことで煩わす訳にはいかない。
相良先生はみんなの先生だから、こうして普通の先生と生徒に戻って、わたしはあと2年したら学校を卒業する。
そしたら、もう二度会うことはないんだから。