愛なんてない
お兄ちゃんがどんなに頑張ったか。
お兄ちゃんがどんなにわたしを大切にしてくれたか。
わたしは一番知ってたから。
お兄ちゃんからたくさんの幸せをもらったわたしは、お兄ちゃんがたくさん幸せになる手伝いをしようとしたんだ。
……だから。
小学校の時に気付いた想いを、奥深くに沈めて。寂しいよと言わないと決意した。
わたしは大丈夫だから、と麻美を始めとした友達といっぱい遊んで元気な振りをした。
お兄ちゃんを安心させるために。