カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
残暑の暑さが残る9月中旬。


正式に新規事業部は発足した。俺がこの会社に来て、3ヵ月の月日が経っていた。

都内のホテルの広間を貸し切って事業部発足を祝うパーティが行われる。


事業部の責任者となった沢木部長が壇上に上がって代表の挨拶。


俺は沢木部長の命令通り、PR課から高木さんを異動させた。


莉那に対する高木さんの態度は部下として最悪だった。二人の仲は収拾不可能で、PR課から高木さんを引き抜くコトにした。


「遊佐課長、私課長の為に一生懸命頑張りますから…」


「期待しているよ。高木さん」



無邪気に喜ぶ高木さん。



俺は高木さんに何も期待していなかった。莉那の足手纏いになって欲しく無くて、彼女を推薦しただけだから。





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