カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
隣に立つ私は逸希の言う通り黙っていたが、沢木部長の態度に逸希が可哀相に思えて口を開いた。



「…私が望んで、仕事を引き受けました。沢木部長」


「・・・」


「だから、遊佐課長は悪くありません」



「植野チーフ?」


逸希は頭を上げて驚いた表情で見つめた。



「責めるなら私を責めて下さい。沢木部長」



「植野チーフは余程、新規事業部の仕事に未練があるようだな」


「彼女は貴方の私情で新規事業部のメンバーから外された」


「私情?何のコトですか?遊佐課長。私は仕事に私情を挟んだ憶えはないが」







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