カモフラージュ~幼なじみ上司の不測の恋情~
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涙で崩れたアイメイクを直して、パウダールームを出ると壁に背中を預けて佇む逸希の姿が見えた。


「遊佐課長?ここで何しているんですか?」


「何してるって…植野チーフを待っていました。高木君が俺に植野チーフが泣いてると言って来たんだ…『そっとしておいてくれ』と言って俺を追い出したクセに」


「そうなの」


「俺だって山程仕事があるのに…それよりもどうして泣いてた?理由は??」


「理由と言われても…別に無いわよ。遊佐課長の資料を見ていて涙が出たと言うか・・・」


私だって涙の理由が判らなかった。


「変なヤツ」


「逸希さっきはゴメンなさい」


「俺も出過ぎた真似をしたと思う。お前とこれからも仕事がしたいし、俺は自分のすべき役割を果たすよ」


「役割?」


「お前の偽カレ役」


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