教えてくれたのは、君でした。



私は最近どこかおかしい

玲くんに甘い言葉を言われる度に

それ以上のものを求めそうになる

だからとはいえ、キスではなくて

ましてや触れ合ったりすることでもない

ただずっと、抱きしめていて欲しいと

たまに思ったりしてしまう


こういうのって、欲張りっていうのかな?




「まなちゃんがいまなに考えてるか

当ててあげよっか」



「えっ?」



「ほら、おいで」



「なっ、なんでわかったの!?」



「だからさっき言ったじゃん

隠そうとしてもバレバレだって

知ってた?俺ってまなちゃんの心を読み取る

エスパーなんだよ」



そう、いたずらっぽく笑って

玲くんはぎゅっと私を抱きしめる

彼の香り、彼の暖かさが

私の全身を瞬く間に支配して

その心地よさのせいなのか

私は気づかぬまに、意識を手放した



「おやすみ、まなちゃん」



< 170 / 194 >

この作品をシェア

pagetop