教えてくれたのは、君でした。


「佐倉、急にキスして

しかも彼氏面までして、ごめんな」


「うっ、うん…」



「でもさ、お気に入りってのは本当」


「………?」


「佐倉みたいな今時にはない純粋な感じ

小学生みたいに、持ち物に名前書いちゃうとこ

なんかすっげー可愛いなって」


「かっ、可愛いとか

簡単に言わないでください…」



またその言葉に期待しちゃうから



「可愛いよ、佐倉は」


「じょっ、冗談にしか聞こえません…」


「さぁ、それはどうかな」


「えっ」



そのとき私の胸が小さく

ドキンッーと高鳴って

胸の奥がキュウッとなるのを感じた


彼の言葉ひとつで

私の感情が色んな方向へ揺れ動く


この感情って……


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