蒼の歩み
13
家に着いて。日付が変わり、己の誕生日を迎えた。日付が変わったと同時に、数人の友人からお祝いのメールが届く。毎年、有り難いことだ。



でも、そこには。今1番欲しい人からの、メールは無くて。先ほどまで一緒に居た人からのメールは無くて。……当たり前なことなのに。



友人に、ありがとうと返信をしてから。すぐさま眠りについた。









――起床して支度をし、仕事場へと向かう。何の変哲も無い1日の始まりだ。



いつも通りに仕事をして、いつも通りに休憩をとって、いつも通りにご飯を食べて。



そして、退社の時間。



仕事をしていた時間は、長くも短くも感じなかった。下宿に戻ると、荷物が2つ届いていて。1つは友人からの誕生日プレゼント。もう1つは、母親からだった。



……嬉しくて。私はすぐさま2人にお礼のメールを入れ。母親には、感謝の気持ちも添えた。










それでもやっぱり。あの人からはメールが1通もなくて。知らないんだから、当然のことなのに。どうして私はそんなことを気にしているの。



祝って欲しい人に、祝ってもらえなくて。少し、というか。物凄く哀しかった。



でも、来年は祝ってもらえるような。誕生日を向こうから聞いてもらえるような。そんな関係になっていれば、いいな。



誕生日を迎えたことだし、もっと大人な女に成長したいな。そう、蒼君に見合うような女になりたい。



そう誓い、己の誕生日は幕を閉じた。



……それに。私は、誕生日の前日に素晴らしい時間を過ごすことが出来たから、それだけでも充分だ。来年の誕生日は、彼と一緒に過ごせたらいいな。彼ともっと深い関係になれてたらいいな。



そんな願望を、胸に抱いて。
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