蒼の歩み
こうしてメールで会話をするのも楽しいけれど。秋塚さんともう一度、直で会ってみたい。



しかし、会いたいと言葉にするのは。ダメな気がして……。ただでさえ、初対面で意味不明ながっつきかたをしてしまったのだ。余計なことを言って嫌われたくは無い。



この人が、そんな些細なことで人を嫌うような方ではないということは、なんとなくわかってきてはいるけれど。それでも。急に連絡してくれなくなったりとか想像したら、怖い。



そんなことを思っていた、矢先。彼からの『よければ近々会わないか』の文章だ。



……この人は、私の心を読めるのではないかと時々本気で思う。




もちろん、私は喜んでOKの返事をした。明後日は秋塚さんも私も休みのようなので、その日に会う約束を取り付けた。



場所は、喫茶店。



場所の指定をしてきたのは彼だが、偶然か否か、その喫茶店は私の初めてのバイト先でもあった。バイトを転々とした生活をしているので、今はもうそこでは働いていないけれど。……店長とか、元気かな。




ところで。




話し方等から察するに、秋塚さんは自分より年上なのだろうけれど。実際のところ、いくつなのだろう。明後日、聞いてみようかな。
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