蒼の歩み
そんな思考回路の中、店員さんに案内されついた場所は、大人っぽくて尚且つかっこいいデザインのペンダントが並んでいるコーナー。赤、オレンジ、薄緑、紫、黒。色んな色があった。



そんな中、私の目に留まったのは。澄み切った綺麗な青色のペンダント。



『蒼』君の名前にかけて。直感的にこう思ったんだ。彼に似合うな、と。



でも、彼は確実に私よりもお給料が良いはずだし、欲しいのなら自分で買うのではないだろうか。彼の好みとは違うのではないか。どっちにしろ、安物は買えないな、と。奮発すると心に決めた。



気がつけばそれを手にし購入していて、また自分は何をしているんだと我に帰る。プレゼント袋を握り締めた私の心の中は、これを渡したら彼はどんな反応をしてくれるかで埋め尽くされていた。




そしてもう1つの気持ちも心の中を埋める。



彼氏でもない男性に、プレゼント、しかもアクセサリーを贈るという行為はどうなんだろう、と。一般的には変なのかな、すごいモヤモヤした。



この日の夜は、蒼君にプレゼントを渡すか渡すまいかとても悩んで、枕に顔を埋めているといつの間にか眠りについていた。



私、何やってるんだろう。



彼と電話で話すと緊張と嬉しさで手が震えちゃったり、贈り物を購入しちゃったり。私、おかしい。おかしいよ。
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