蒼の歩み
蒼君に手を引かれながら、建物の中へと入った。



適当にポップコーンと飲み物を購入し、列に並んだ。日曜なのもあって、やはりこういう場は人が集まるな。



「蒼君は、よく映画館来るの?」



「よくは来ねェよ。真歩よりは来ているだろうけど」



そんな話をしていると、列が動き出した。久々の映画館はどんなものかと辺りを見回すと、想像していたよりも席が少なくて。ドラマに出てくるような映画館とは少し違った。もしかしたら、地元の公民館のホールのほうが広いかもしれない。



だけど、決して狭いわけではなく。ほぼ満席状態の中で、私達は真ん中より少し上の席を取ることができた。なかなか良い位置だ。




携帯電話の電源をOFFにし、あとは映画を待つのみとなった。

< 50 / 142 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop